第37回 東北理学療法学術大会 趣意書

第37回 東北理学療法学術大会

理学療法の本質を高める~ それぞれが目指す次の一歩 ~

学術大会長 舟見 敬成

 本邦は、平均寿命が83.7歳(世界保健統計2017)と、医学の進歩や食生活の改善に伴い世界一の長寿国への道をたどり、我々理学療法士は、そのような社会の変化とニーズに適応すべく、活動の場を広げてきました。その結果、理学療法士の活動の場は、病院や介護老人保健施設、訪問リハビリテーションといった医療・介護分野のみならず、介護予防を含めた地域リハビリテーションなどの福祉分野、メディカルフィットネスなどの健康増進に関わる保健分野、障害予防やコンディショニングなどのスポーツ医学分野などに携わり、理学療法士が国民に対してますます、認知されるようになりました。この職域の広がりは、これまで、理学療法士会員一人一人が努力を重ねながら、社会の要請に応えるべく、それぞれの分野で必要とされる職種に成長させてきたことに疑う余地はありません。加えて、各分野のニーズに専門的に応えるためにも、我々は、学問としての理学療法の領域を専門化し分化してきました。

しかしながら、専門化し、分化すればするほど「理学療法の本質を見失っていないか」、「理学療法士は何をする人か」を自ら問う機会が増えてきたようにも思われます。さらに、昨今の雇用形態や就労形態の多様化が、理学療法士会会員の学術活動に向ける意識の低下を生じさせている現状も感じます。このような問いかけや学術活動への意識の低下は、理学療法士の質の担保にとって、とても大きな影響を及ぼしかねない変化であると考えます。

そこで、本学術大会では、求められるサービスが多様化する現代社会で、様々なニーズに適切に応えていくために、「見失ってはいけない理学療法の本質とは何か」、「我々は、これからの時代に適応してくために、何をすべきか」と考えることにより、次の世代へのステップ(一歩)の土台を作り上げていくきっかけにしたいと思います。それぞれがいろんな立場で、働いている理学療法士一人ひとりが「進歩」と「原点回帰」を繰り返しながら、「次の一歩」をみんなで考える“時”を共有したいと考えます。

本学術大会が、理学療法士会員の皆様にとって、自らの理学療法を見つめなおす機会となり、新しい時代への礎になることを期待します。